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思い通りにならないと癇癪・パニックを起こす

うちの子、思い通りならないと癇癪を起こして、パニックになるんです

細川院長

それは発達障害の特性のためかもしれません


自分の希望が通らないと、パニックを起こして、泣いたり叫んだりと感情を爆発させたり、ものを投げたりする子がいます。また、ゲームなどで勝負に負けそうになると癇癪を起こして怒り出す子もいます。

それは、どうしてなのでしょうか?

その背景として、発達障害の特性としての「想像する力の弱さ」、「柔軟性の乏しさ」、「感覚過敏」、「ものごとへのこだわり」、「感情コントロールの苦手さ」といったことがあります。

自閉スペクトラム症(ASD)の人の場合、予測の苦手さや柔軟性の乏しさがあるため、急な予定変更や、いつも違う状況ではパニックを起こすことがあります。一度「こうする」と決めつけると柔軟な変更が苦手なため、思い通りに物事が進まないと、癇癪を起こしてしまいます。

感覚過敏から、音などに敏感に反応することもあります。

自閉スペクトラム症(ASD)の子は、勝ち負けにこだわり、負けることを想像していないため、負けた場合に自分の感情がコントロールできず、癇癪(かんしゃく)を起こしてしまうことがあります。

注意欠陥多動症(ADHD)の場合でも、衝動性から感情の抑えがきかないことがあります。

そんな場合、まわりはどう対応すれば良いのでしょうか?

特性を踏まえたコツがあります。コツを身につけ、上手に対応しましょう。

子どもがパニックになったら、どうすればいいですか?

細川院長

まずは気持ちを落ち着かせて


パニック対応のコツ

まずは気持ちを落ち着かせましょう

パニックになっている人に、「やめなさい!」と注意したり、「どうしてそんな風にするの?」と理由をきいても、パニックの最中には伝わりません。

気持ちを落ち着かせるのが先決です。

まずは、人のいない静かな場所に移動し、「クールダウン」しましょう。

パニックになったときの対処方法をあらかじめ決めておくのも有効です。

たとえば……

  • 深呼吸する
  • 刺激の少ない場所に避難する(静かで薄暗いところ)
  • 一人になってしばらく過ごす
  • 水を飲む

そういった対処が自分自身でできるようになると、パニックになる前に自分の気持ちを上手にコントロールできるようになります。

パニックになった原因を探りましょう

原因がわかったら、次に同じようなことが起こった場合にどうするか、考えましょう。

避けられる原因は避ける

うるさい音など避けられる刺激は避けましょう。

避けられない原因には対応できる力を身につける

避けられる刺激は避けることでパニックになることを防げますが、実際には避けられない刺激もあります。

たとえば、ゲームなどの勝負ごとの場合、「負ける」ストレスというは避けようがありません。「勝つこと」にこだわる場合、「負けること」に慣れることも大切です。

日頃から些細な勝負(ジャンケンなど)に家庭内で慣れ、「勝つこともあれば負けることもある」を身をもって理解していくのが良いでしょう。負けたときには、まわりの人は「次は勝てるかもしれないね」などと声をかけ、気持ちの切り替えを上手にできるようにしてあげましょう。

自分の気持ちを伝えられる力を身につける

人間関係のストレスも避けられないものの一つです。イヤな思いをしたときに怒りを爆発させるのではなく、「イヤだからやめて」と言葉で伝えられるようになる必要があります。詳しくは、「アサーション」を参考にしてください。

「イライラする」などの自分の気持ちを伝えれるようになることも大切です。言葉にできるようになると、言葉にできないもどかしさから怒りを爆発することがなくなります。