発達障害があると、他の病気や問題が起こりやすいですか?
細川院長
発達障害があると、二次障害を併存しやすくなります
もともとの問題(発達障害)を一次障害と呼び、後から生じる問題を二次障害と呼びます。
発達障害の特性のために、失敗体験を繰り返したり、周囲の無理解に傷ついたりすることが続くと、自己肯定感が低くなり、うつなどの症状や、ひきこもりなどの問題が起こりやすくなります。
【例】
- ストレスのためにうつっぽくなる
- ストレスのために、腹痛や頭痛のような身体症状が出る
- 不安が高まり、何ごとも強迫的に確認しないといられなくなる
- 思ったことを不用意に口に出してしまうことで、まわりの反感をまねく
- 場の空気が読めないために周囲になじめず、まわりに敬遠され、友達ができない
- 浮いた行動に目をつけられ、いじめられる
- 失敗をからかわれたり、他人の意図をうまくつかめないために、被害的になる
- 被害的な感情から、まわりに敵対的となる
- 失敗を繰り返すことで、常に不安や緊張を感じるようになる
- 苦手意識から、自分には能力が足りない、努力が足りないと、劣等感を抱く
- 周囲になじめず、ストレスや自己嫌悪から、不登校になる
- 学校に行けなくなり、ひきこもりになる
どんな二次障害が多いんですか?
自閉スペクトラム症では、次のような問題が起こりやすいというデータがあります。
- 気分障害: 17.1%
- 不登校: 12.4%
- 解離性障害: 8.5%
- 行為障害: 6.7%
- 強迫性障害: 5.5%
- 統合失調症様病態: 2.7%
「そだちの科学」おとなの発達障害, 2009
細川院長
二次障害を防ぐことが大切です
発達障害の特性があっても、本人やまわりがそれを理解し、生活を特性に合わせていけば、あまりストレスを感じずに生きていくことができます。
しかし、そうでなければ、二次的な問題が生じ、時間をかけて解決していかなければなりません。二次的な問題は放っておくと余計にこじれて悪くなっていきますので、すぐに治療に取り組みましょう。