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我慢しすぎは良くない? 多少の我慢は役に立つ

前回、自制心というのは限られたリソースであり、それが消費されて枯渇すると、他のことができなくなる、ということを知りました。

細川院長

そうですね。

「自我消耗(ego depletion)」という状態でしたね。

じゃあ、ガマンしない方がいいんですね?

細川院長

それが、そうとも言い切れません。

多少、我慢する練習をすることで、自制心が鍛えられるという研究があります。

The ability of the self to alter its own responses, including thoughts, emotions, impulsive behaviors, and performances, is powerfully adaptive, and failures of self-control contribute to most personal and social problems. A program of laboratory studies suggests that self-control depends on a limited resource, akin to energy or strength. Acts of self-control and, more generally, of choice and volition deplete this resource, thereby impairing the self’s ability to function. These effects appear after seemingly minor exertions because the self tries to conserve its remaining resources after any depletion. Rest and positive affect help restore the self’s resources.

Baumeister, Roy F. (2002). “Ego Depletion and Self-Control Failure: An Energy Model of the Self’s Executive Function”. Self and Identity 1 (2): 129–136.
細川院長

ふだんから自制心を活用するようにしていると、いざ自制心を使う場面で、自我消耗が起きない(リソースが増えている)ことがわかったのです。

それって、チョコレートを普段からガマンしていたら、ケーキビュッフェに行ったときにチョコケーキを食べすぎない、って感じですか?

細川院長

それが、どうやら直接関係のないことでもいいようです。

どうでもいい些細なことを我慢する練習をしているだけでも、いざというときに何か別の大事なことを実行するのに役立つ、というわけです。

確かに、面倒な家事、皿洗いなんかを5分で終わらせるぞー、って毎日集中していると、いつのまにか、長いなーって思っていた120分の試験でも集中できるようになっていますもんね。

細川院長

そうです、そうです。

これって、なんだか運動にも似てますね。

ふだんからエレベーターを使わずに階段を使うようにしていると、いつのまにかマラソンのタイムが上がっていたり、みたいな。

細川院長

そうです。

自制心は筋肉と同じようにトレーニングで強化できると言われています。
これを自我消耗の筋肉モデル、と呼びます。

筋肉は運動直後には消耗されて一時的に弱くなりますが、その後の回復を通して、前よりも強くなります。

自制心も同じで、消費すると一時的に弱くなりますが、その後の回復を通して、前よりも強くなります。

そうすると、筋肉と同じように自制心も、使わないようにするよりも、日々少しずつ使って鍛える方が、大事な局面で役に立ちそうですね。

細川院長

では、この知見を臨床ではどう活かせば良いでしょうか?

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