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我慢しすぎは良くない? 自制心という限られたリソース

勉強をしていると、つい他のことをしたくなるんですよね。おいしいオヤツとか……。

誘惑に負けないのも大事でしょうけど、ガマンしすぎも良くないのでしょうか?

細川院長

こんな研究があります。

チョコレートを我慢するのと、大根を我慢するのと、どっちが楽ですか?

チョコレート vs 大根?!

謎な対決ですが、そりゃ、ガマンしろというなら、私だったら大根の方がガマンしやすいです。

勉強中、目の前にチョコレートがあったらつい手を伸ばしてしまいそうだけど、大根だったら気にしないかも。

細川院長

この研究では、チョコレートを我慢しなければならなかった学生は、大根を我慢しなければならなかった学生に比べて、物事(この場合は解決不能のパズル)をすぐに投げ出してしまうことがわかりました。

Choice, active response, self-regulation, and other volition may all draw on a common inner resource. In Experiment 1, people who forced themselves to eat radishes instead of tempting chocolates subsequently quit faster on unsolvable puzzles than people who had not had to exert self-control over eating. In Experiment 2, making a meaningful personal choice to perform attitude-relevant behavior caused a similar decrement in persistence. In Experiment 3, suppressing emotion led to a subsequent drop in performance of solvable anagrams. In Experiment 4, an initial task requiring high self-regulation made people more passive (i.e., more prone to favor the passive-response option) . These results suggest that the self’s capacity for active volition is limited and that a range of seemingly different, unrelated acts share a common resource.

Baumeister, R. F., Bratslavsky, E., Muraven, M., & Tice, D. M. (1998). Ego depletion: Is the active self a limited resource? Journal of Personality and Social Psychology, 74(5), 1252–1265

つまり、誘惑があると集中できない、という話ですか?

細川院長

ちょっと違います。
もう少し詳しく説明しましょう。

『愛と追憶の日々』という映画を観たことがありますか?
1984年のアメリカ映画で、アカデミー賞5部門を受賞した名作です。

ありますよ!

夫と死に別れたオーロラ(シャーリー・マクレーン)のもとで育てられた一人娘のエマ(デブラ・ウィンガー)が、愛憎半ばながらも、母から独り立ちしていくんですよね。

そんな娘が映画の最後、母より先に死ぬのだけれど、そのときに自分の子どもたちに別れを告げるんです。
そのシーンが号泣もので……!

細川院長

その誰もが泣くシーンで、涙を我慢させると、どうなると思います?

は?!

細川院長

こんな実験結果があるのです。

『愛と追憶の日々』を観て、「思いっきり感情を表に出して」と言われた人と、「自制心を使って感情を外に出さないようにして」と言われた人とで、その後の作業効率(ここでは解決可能なパズルを数多く解く)を調べたのです。

映画を観て素直に泣いた人と、泣くことをガマンした人とで、仕事の出来が違うかどうか、ということですか?

そんなの関係ありますかね?

細川院長

それが大いに関係があり、大きな違いが出たのです。

え?
どっちの方が仕事ができたのでしょう?

細川院長

泣くのを我慢した人が、平均7.3問解けたのに対し、泣くのを我慢した(感情の抑制に自制心を行使した)人は、4.9問しか解けなかったのです。

感情を抑えた人は、仕事ができなかった……?

それはいったい何を意味するんです?

細川院長

これは、自制心というのが限られたリソースであり、それが消費されて枯渇すると、他のことができなくなる、ということを意味しています。

これを、「自我消耗(ego depletion)」と呼びます。

へぇ。

そうすると、意志力を必要とする作業は、あまり同時にしない方が良さそうですね。

細川院長

では、この知見を臨床ではどう活かせば良いでしょうか?

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