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マシュマロ・テストと将来の成功
心理学者ウォルター・ミシェルによる、「マシュマロ・テスト」を知っていますか?
4歳時にマシュマロを我慢させて、我慢できた子は将来、成績が良くなり、社会で成功したという研究だよね?
米国スタンフォード大学のビング幼稚園での長年にわたる研究です。
To function effectively, individuals must voluntarily postpone immediate gratification and persist in goal-directed behavior for the sake of later outcomes. The present research program analyzed the nature of this type of future-oriented self-control and the psychological processes that underlie it. Enduring individual differences in self-control were found as early as the preschool years. Those 4-year-old children who delayed gratification longer in certain laboratory situations developed into more cognitively and socially competent adolescents, achieving higher scholastic performance and coping better with frustration and stress. Experiments in the same research program also identified specific cognitive and attentional processes that allow effective self-regulation early in the course of development. The experimental results, in turn, specified the particular types of preschool delay situations diagnostic for predicting aspects of cognitive and social competence later in life.
Mischel, Walter; Shoda, Yuichi; Rodriguzez, Monica L. “Delay of gratification in children.” (1989) Science. 244 (4907): 933–938.
本筋からずれるんだけど、ぼく、甘いマシュマロは別に好きじゃないんだ。
そういうこともあるよね。
だから、この研究、「マシュマロ・テスト」として知られているけれど、子どもによって好みは違うので、しょっぱいプリッツェルとか、選択肢はいろいろ用意しているんだよ。
へえ。
さすが科学的研究だけあって、そのあたりもしっかりしているんだね。
さて、この研究の概要です。
1人ずつ連れてこられた4歳の子どもたちは、2枚の皿とベルの置かれたテーブルに着席します。
1枚の皿にはマシュマロが1個、もう1枚の皿にはマシュマロが2個、のっています。
実験者は言います。
「ちょっとここを離れるけれど、戻るまで待っていてくれたら、マシュマロを2個食べていいよ」
「待つのが嫌なら、ベルを鳴らせばいつでも戻ってくるけれど、そのときはマシュマロは1個しか食べられないよ」
そして、実験者はマシュマロが1個だけのった皿を残して、部屋を出ていきます。
そして、子どもがベルを鳴らすか、マシュマロを食べてしまうまでの時間を記録する、と。
その通り。
その子が15分待てたら、実験者は戻ってきてマシュマロを2個あげる。
目の前のマシュマロ1個を食べてしまうか、15分待ってマシュマロ2個をゲットするか、ということだよね。
15分待った方が、得じゃない?
そう、15分待った方が明らかに得だ。
だが、15分待てる子はほとんどいない。
待てる限界は平均で6分だった。
25%以上は、2分ももたなかった。
でも、待てる子もいた?
そう、25%の子は10分以上我慢できた。
そして、15分待てた子はマシュマロを2個、ゲットできた。
でも、大事なのはそこじゃないんだよね?
その通り。
4歳のときのこの簡単な我慢実験の結果が、その子の将来を予測していたというのが、驚きだったんだ。
このとき待てた子は、その後の大学進学適性試験で明らかに優秀な成績を取った(SATテストというアメリカの共通テストで、2400点満点中300点以上高かった)。
それだけでなく、大人になってから社会的に成功し、中年になってからも肥満度が低いなど健康度も高かった。
この結果は、何を意味しているの?
人生において、望む目標を実現するためには、努力が必要になります。
マシュマロを待てた子たちは、有効な自制戦略を身につけ、努力を維持しやすく、能力が高まったと考えられます。
では、この知見を臨床ではどう活かせば良いでしょうか?
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