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「うつ・不安の科学的トレーニング:注意訓練法ATT」

注意訓練法(Attention Training Technique; ATT)とは、うつや不安に対しての科学的な根拠(下記参照)が示されている、「選択的注意」・「注意切り替え」・「注意分割」のスキルを向上させるためのトレーニングです。
表示される指示に従って、自分の注意を特定の音へと向けてみましょう。

【この訓練法の科学的根拠;()内は論文】
うつや不安の強い状態では、「自己注目」と呼ばれる、自分自身の状態に対する過剰な注意(内的注意)があり、ネガティブな思考から注意を切り替えることが上手にできません。(Wells&Matthews,1994)。
うつや不安を引き起こし、それを持続させる認知的要因として、この「注意制御機能」の問題が挙げられています(Ólafsson,Smári,Guðmundsdóttir,Ólafsdóttir,Harðardóttir,&Einarsson,2011)。
これに対し、注意制御機能を向上させる訓練として、この注意訓練法(ATT)が考案されました(Wells,1990)。
ATTは、「選択的注意」・「注意の転換」・「注意の分割」の3つの要素から構成され、複数の環境音に対して能動的に注意を向ける練習を行います。

  1. 選択的注意:ターゲットとなる特定の音に注意を集中します
  2. 注意切り替え:複数の音に対して順番に注意を向けていきます
  3. 注意分割:全ての音に同時に注意を集中します

ATTにより注意制御機能が柔軟となり、その結果、
・ストレス反応とつながる侵入思考が軽減された(Nassif&Wells,2014)、
・ネガティブ刺激への過敏な反応が低減した(Sharpe et al.,2010)
・抑うつ尺度得点の低下が認められた(浅本・鈴木,2008)
と報告されています。


【7分バージョン】

(注意)心筋梗塞や不整脈、低血糖の恐れ、その他身体的な制限のある方や、強い不安や気分の落ち込み、イライラ、恐怖感などを感じる方は、医師の許可のもと実施してください

【2時間バージョン】

寝る前、眠れないときにも使える、音に注意を向ける「注意訓練法」(ループ2時間バージョン)です。
音に意識を向けながら、寝落ちしても大丈夫です。

(注意)心筋梗塞や不整脈、低血糖の恐れ、その他身体的な制限のある方や、強い不安や気分の落ち込み、イライラ、恐怖感などを感じる方は、医師の許可のもと実施してください

【12時間バージョン】

朝から晩まで一日中、環境音として流しておける、音に注意を向ける「注意訓練法」(ループ12時間バージョン)です。
作業用BGMとしてどうぞ。

(注意)心筋梗塞や不整脈、低血糖の恐れ、その他身体的な制限のある方や、強い不安や気分の落ち込み、イライラ、恐怖感などを感じる方は、医師の許可のもと実施してください

<参考文献>
Wells,A.&Matthews,G.(1994). Attention and Emotion A Clinical Perspective.Psychology Press.
Ólafsson,R.P., Smári,S., Guðmundsdóttir,F., Ólafsdóttir,G., Harðardóttir,H.L.,& Einarsson,S.M.(2011). Self reported attentional control with the attentional control scale:Factor structure and relationship with symptoms of anxiety and depression. Journal of Anxiety Disorders, 25,77‒82.
Wells,A.(1990). Panic disorder in association with relaxation induced anxiety: An attentional training approach to treatment.Behavior Therapy, 21,273‒280.
Nassif, Y., & Wells, A. (2014) Attention training reduces intrusive thoughts cued by a narrative of stressful life events:a controlled study. Journal of Clinical Psychology,70,510-517
Sharpe,L.,Nicholson,P.K.,Rogers,P.,Dear,B.F.,Nicholas,M.K.,& Refshauge,K.(2010). A comparison of the effect of attention training and relaxation on responses to pain.Pain,150,469-76.
浅本有,鈴木伸一(2008)抑うつ者に対する注意訓練の効果の検討、日本行動療法学会大会発表論文集(34),388-389.

音声・背景音:フリー音源

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